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翔んで埼玉、ムーミンパーク、タイの選挙と非中央集権~ブランドか?コストか?

2019-03-25 15:02[ にく

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土曜日の午前中は息子の発表会で、午後から近くのショッピングモールで話題の映画、翔んで埼玉を見て来ました。ネタバレになるので内容を詳しくはお話しできませんが、自虐ネタ好きの埼玉県民として本当に楽しめる映画でした。中でも、冒頭の説明で、武蔵の国から重要な東京と横浜が独立して残ったのが埼玉という歴史認識は痛快でした。翌日曜日は観光名所が無いとされた埼玉の新名所候補、ムーミン・バレーパークに行って来ました。場所は、埼玉県の飯能市、ちょうど11月に樋口久子三菱電機レディスを開催する武蔵丘ゴルフコースの14番ホールと17番ホールの間の谷に位置します。規模的には東京XXXランドや東京XXX村などと比べようもありませんが、ダム湖の入り江をフィンランドのフィヨルドに見立てたのか、見事に可愛らしい北欧の村を再現したイメージで、午後から行ったせいか大した混雑も無く、子供たちも楽しかったと言っていました。感心したのがアトラクションのシステムで、各アトラクション入り口に券売機があって時間別とチケットを購入します。この料金が結構高くて、例えば海のオーケストラは3歳以上は11000円かかります。うちは下の娘が2歳なので3000円、これで約15分です。隣の2家族は小学生くらいの子供たち6名だけ入場して親は入場していませんでした。ただ、乗り放題チケットなどだと少しでも元を取ろうと乗りたくもないアトラクションにも人が殺到して、常に並んでばかりという状況になりがちですが、この値段では本当に入場したいアトラクションに絞る動きもあろうかと思います。そのせいか、来場者はみな、ゆったりと楽しんでいる様に見えました。ただ、駐車場からの距離が遠いとか、子供の遊び場までの坂道が尋常でないとか、規模が小さく1日遊ぶにはきつく、我々が入場した2時過ぎでは入場者より退場者の方が多かった感じがします。また、人気のムーミンハウスやジップラインは我々が入場した時点では売り切れでした。印象としては、ムーミンを知らない小さな子供より、大人のカップルなどがゆったり楽しむ場所かなとも思いました。うちの子は喜んでいましたが。

で、翔んで埼玉に戻るのですが、こうした港区を頂点とした都心に近くに住んでいる方が偉く、近くに住んでいる芸能人を自慢する、または地方を見下す、ブランド地名というか住所マウンティングとも言うべき状況は今に始まった話でもありません。京都人の京都嫌いという本では、五条烏丸近く棲んでいる旦那衆が、嵯峨野出身者を、昔はよく肥を貰いに来てもらって助かったと侮る場面が紹介されています。悲しいのは、そうした上下関係に慣らされた筆者は、心のどこかで亀岡や園部を下に見てしまうと自戒しています。滋賀県の大津から京都市内の高校に通っていた小職も、奈良軍団や滋賀っぺとからかわれていたのですが、面白いことに、四条烏丸近辺に住んでいる医者の息子や染物屋の御曹司は何の疑問も持たずに京都の大学を目指すのに対し、滋賀県や奈良県出身者は京都にだけは行くまいと東京を目指す傾向がありました。そうした地方出身者の中には頑張って港区や世田谷区に住んでいる人たちも沢山いるのですが、都人に蔑まれ関東に落ちて来たというのに、小職は何故かやはり埼玉に住んでしまっています。荒川を渡るだけで、土地代は安くなるし、大型ショッピングモールは近くなるし、渋滞はましになる、、、このお得感につい埼玉を選んでしまいます。要はブランドよりコストを選ぶメンタリティーです。

このブランド地名・住所マウンティングというのは他の国でもある様で、以前駐在していたバンコクでも、日本人居住街であるスクンビット通りのアソークからエカマイの間に無理して住んでいるタイ人スタッフもいました。実は、日本人学校のスクールバスが通るその地区は他の地区と比べて家賃が倍近くするのに、です。また、同国では8年ぶりに国政選挙が行われましたが、よく東北部で旧タクシン派が強く、かつては赤シャツ(旧タクシン派)と黄シャツ(反タクシン派)の対立がクローズアップされます。今回は流石に軍政派(一部では緑シャツと呼ばれています)が勝利する見通しの様ですが、度重なる弾圧にも拘らずタクシン派が根強い人気がある理由としてタクシン氏のばらまきやカリスマ性で説明される事が一般的ですが、もっと深い背景に、都市部住民による東北部や北部への蔑視に対する反発も指摘されています。

選挙と言えば、先日、POSVトークンの運営の方が弊社をご訪問頂きました。POSVとはブロックの組成を暗号計算の成功者、すなわちWORKSによって担保しようとするのに対し、そのトークンの保有額をベースに決めようとするのがPOS、更にコミュニティーへの寄与度や様々な要素を考慮するために、一定のステークホルダーにより投票で承認者を決める、これがPOSVです。その関係者は、そのトークンは当初はERC20で発行され、今ではメインネットに移行、1秒間に2000件の取引を処理し、イーサリアムを超えた非中央集権ブロックチェーンと宣伝されていました。何でも一定のトークン保有者が投票権を持つ選挙で選ばれた150のマスターノードがブロックを完成させていく仕組みだそうです。時価総額も数十億円ということなので、それならば、その過半数を購入して過半数のマスターノードを握ればこのチェーンを乗っ取ることが可能という事ですかと意地の悪い質問をしたところ、メインのマスターノードは関係先で押さえてあるし、そういった悪意のノードをブロックする機能を運営側が握っているとのことでした。それならば理解できます。

正確ではないかもしれませんが、そうであるならば、実用性を重視した結果、イーサリアムのようなスマートコントラクト機能を持ちつつXRPに似たコンセンサスアルゴリズムでスピードを上げたイメージなのかと理解しました。そして、個人的には、POSVでイーサリアムの弱点を克服したなどと言わなければいいのにと思ったのですが、どういう事かというと、うまく言えませんが、このブロックチェーン業界には非中央集権こそ格好良く、パブリックチェーンは安易だという風潮が何となくあると考えているということです。そもそも、BTCが時間と壮大な電力を投じているのはブロックチェーンの正当性を非中央集権的に担保するコストで、それと計算能力を引き上げるという事はある程度トレードオフの関係にある訳で、それを解決するためにイーサリアムでは天才ヴィタリック・ブテリンが率先して色々と研究を進めいている訳です。それを、簡単に我々はその解決策を見出しました、といった類の宣伝をICO絡みで耳にしますが、突き詰めると、計算スピードを集権的な仕組みで補っているだけであるケースが多い様です。個人的には、集権的な仕組みも全く否定するつもりはありません。社会での実装という事を考えるのであれば、顔の見える運営先があった方が、むしろやりやすいとさえ思ったりもします。例えば、日本でQR決済の規格統一が議論されていますが、それが実現した際に管理者があるチェーンであれば対応策の出て来ようもあるでしょうが、非中央分権であれば容易ではないでしょう。ただ、何となく、非中央集権の方が格好いいというブランドイメージに流されているのではないかと思う次第です。その点、ブランドよりコストという感覚の小職からすれば、安くて便利であればプライベートでもいいし、ケース・バイ・ケースで使い勝手の良い方を選べばいいのではと考える次第です。ただ、上記の非中央集権ブランド信仰やブランドとコストのトレードオフの関係は、ICOトークンなどを見る際に注視すべき視点だと考えています。

因みに、晴れて東京の大学に進学した小職の最初の下宿先は何を思ったのか神奈川県の相模大野から徒歩15分のアパートでした。高校時代も通学に1時間かけていたので平気だと思ったのですが、流石に通学には不便で半年もたたずに引き払いました。ブランド軽視もいいですが、こうなると、逆に安物買いの銭失いですね。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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