速報:本日のビットコイン反発の背景~仮想通貨に春は来るか

2019-03-27 14:56[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

今朝方、BTC価格は43万円台前半から44万円手前まで急反発、昨日の急落を帳消しにした形となった。ここ数日の上値の重さや昨日の下落を受けて下値不安を指摘する見方も散見されたが、弊社は一貫して上目線の予想をお伝えしてきた。今回の上昇のきっかけの一つとして他人のPCでモネロを採掘するプログラム「コインハイブ」の利用に関して起訴されていたウェブデザイナーの裁判で横浜地裁が無罪を言い渡したことが挙げられる。但し、弁護士ドットコムで同ニュースが流れた10時過ぎより若干早く相場の方が動き始めており、この材料は相場の上昇を後押しした形か。BREXITを巡る混迷も影響している可能性もあろう。議会は政府案と異なる解決策を模索し本日さまざまな選択肢を採決する投票を行うとしているが、EU側から412日までに現行の離脱案を受け入れるか合意なき離脱かの2者択一をする様に最後通告を受けているという認識は英議会には乏しい。

ただ、今朝のDaily Reportでも指摘した様に、一番の理由は一昨日の一連の動きを受け、日本における市場心理が回復し始めた事だと考えている。Yahoo傘下のTAOTAOの口座受付開始、マネーパートナーズと大和証券による新交換所設立、みなし業者だった楽天ウォレットの登録認可、もう一つのみなし業者LastRootsのオウケイウェイブ連結子会社化、そしてディーカレットの新規登録申請業者として初めての認可などだ。昨日のトピックでもご紹介したが、中でもマスコミの論調に若干変化が見られる点に注目している。この点について再度ご説明すると、過去の日本経済新聞の社説を見ると、コインチェック事件前は「健全な発展」としていたのが、事件を機に「再点検」「(利用者の)リスク意識」「規律問われる」「選別」「出直し」というトーンに変化する。そして今回の社説では「健全な金融革新を促す規制・監督を」と戻してきている。これは度重なる流出事件を受け同紙を含め日本社会全体が仮想通貨業界に向けていた厳しい視線が、この1年間の官民を挙げたルール作りを経て、やわらぎつつある兆しなのではないかと考えている。それ以外にも、かつての過度な投機や詐欺まがいのICOなど世間の仮想通貨に対する目線はまだ厳しいものが残っており、それらに対するルール作りもまだ始まったばかりだ。ただ、今回の一連の動きは、大分お灸をすえたが仮想通貨業界もだいぶ良くなってきており、これからは産経新聞が指摘する様に適度な規制をかけつつ技術革新を促すことで「先行者利益」を享受し「暗号資産先進国」を目指していく方向に舵を切ろうという動きなのではないかと考えている。

前日のディーカレットは早速JR東日本と提携してBTCSUICAにチャージするサービスを6月にも予定していると報道された。その番組でこれを契機に「キャッシュレス決済が広がる中、SUICAとの連携で仮想通貨が普及していくか」注目されると報道されていた。おそらく、このサービスは仮想通貨をディーカレットが円転してSUICAにチャージするもので、残念ながら支払い手段としての仮想通貨決済ではないと思われる(SUICAが仮想通貨ウォレット機能を実装すれば理論的に出来なくはないが、それならばJR東日本がウォレット業者として登録が必要となる)。ただ、TVのニュースで仮想通貨の普及をアナウンサーが話すだけで氷の一つでも解けてくるのではないか。目黒川沿いの桜は満開だが、仮想通貨相場は1分咲きといったところだろうか。

修正:当初TVニュースのコメントで「仮想通貨決済が広がるか」とご紹介しましたが、正確には「キャッシュレス決済が広がる中、SUICAとの連携で仮想通貨が普及していくか」でした。謹んでお詫び申し上げます。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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