急騰後のビットコイン相場~傾向と対策

2019-04-03 20:36[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン ビットコインキャッシュ イーサリアム ライトコイン

昨日、BTC相場が2割近く急騰、一旦は落ち着きを見せたが、本日になってアルトコインが追随して大きく上昇、BTC相場も勢いを戻している。前日比でETHは約1割、LTCは約2割、BCHに至っては約4割上昇している。こうしたBTCとアルトコインが相互に牽引し合う好循環な相場展開が見られている。この上昇の背景には本邦における仮想通貨市場マインドの変化が影響しているのはお伝えした通りだ。コインチェック事件以降、信頼回復に向けた官民一体とした取組により、ようやく日本における仮想通貨に対するイメージが好転しつつある。4月からの11回にも及ぶ研究会を踏まえた、315日の資金決済法・金商法の国会提出と25日のディーカレットの新規申請先としては初の登録認可は日本の仮想通貨業界の潮目を変える動きだった。まだ警戒は緩めないが(そもそも新法で規制は強化される)、ブロックチェーン社会の実現に向けて前向きに進んでいこうという雰囲気になって来た。そうした中でのBTCの急騰は、世間の仮想通貨への関心を引き立て、弊社情報サイトでも普段は見られないほどの閲覧を頂いている。

弊社サイトを訪れて頂いた人の多くが知りたいのは、まずはBTC相場が上記の通り急騰した理由だろう。3月半ばからの記事をご覧いただければ、如何に弊社が的確にこの上げ相場を予想していたかご理解いただけるだろう。しかし、次に知りたいのは、ではこのBTC相場が今後どうなっていくかだろう。弊社では、今回の相場上昇はやや急すぎで、期待というかイメージ先行な部分が見受けられる。今は仮想通貨口座を持っていたがずっと放っておいた人が、どうやら底を過ぎたなら、また買ってみようか、もしくはここから買ってもいいのか悩んでいるイメージではないだろうか。そうした買いが一巡すると、この相場は一旦調整すると考えている。本当に強い相場は、今まで仮想通貨を触ってこなかった人まで口座を開こうとする展開で、それにはまだ時間がかかると考えている。

そこで、今回の様にBTCが大幅に上昇した後の展開がどうなったか過去のデータから調べてみた。先日ご紹介したアノマリー分析だ。2015年以降BTC相場が前日比で15%以上上昇したのは今回を合わせて10回あったが、上昇した日(正確には翌日)から1日後、2日後、3日後、1週間後、1か月後の騰落率を計算した。それぞれの時期の相場の地合いもありまちまちな動きだったが、平均すると1日後が-1.8%、2日後が-4.1%、3日後が-0.1%で1週間後に+3.1%とプラスに転じ、1か月後には+22.4%の上昇となっている。データの正確性にやや疑問が残るが20119月以降で見ると、前日比15%以上上昇した日は50日、その平均は、1日後-2.4%、2日後-7.7%、3日後-7.5%、1週間後+3.2%、1か月後+9.9%と同じ傾向が伺える。もちろん個々のデータはその時々の事情があるのだろうが、全体を均して見ると、前日比で急騰した後は流石に数日間反落し易いが、それだけの上昇を見せたという事は市場の地合いは良く、1週間後、1か月後には上昇し易いという解釈が成り立ちそうだ。

今後の展開としては、今回の高値57万円近辺を何度かトライし上値の余地を確認した後、一旦は反落する局面があると考える。下押しの目途としては今回の上昇の半値押しの52万円近辺に200日移動平均線があり一旦のサポートか。もしくは2月からの上昇の半値押しでレジスタンスだった46-7万円がサポートとなろう。その後、57万円の上値更新に向け反騰、昨年同様GWないしBCHがアップデートを行う515日頃にピークを迎えるイメージでいる。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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