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なぜビットコインキャッシュの上昇が大きかったのか~出来高から急騰相場を振り返る

2019-04-09 18:57[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン ビットコインキャッシュ イーサリアム リップル ライトコイン

今朝のDaily Reportで、「BTCの上昇に始まり、BCH・LTCが大きく上昇、出遅れていたXRPも40円台を再度回復し、ETHが2万円台へ戻した」結果、好循環が一巡したと申し上げた。正確には、ビットコイン急騰の理由で申し上げた様に、その前にトークンセールで人気のBinanceコインや好材料が続いたXRPの上昇がBTC上昇のきっかけを与えたのだが、この大相場を経た後では細かい値動きにしか感じられない。それだけ今回の上げ相場の印象が強いのは、ここまでの冴えない相場が続いたためだからだろう。この相場の盛り上がりは出来高に現れている。下は、主要5通貨のピークを100%とした出来高の推移だ。軒並み上昇しているが、BTC・ETH・LTCが過去ピーク近くに肉薄している。一方でBCHやXRPは5割にも及ばない。これは両通貨のピーク時に他の日と比べて出来高が大きかったという事実もあるが、その水準自体は他の通貨と比べてあまり変わっていない(後述)。

この違いは値動きにも表れており、やはり出来高が戻っているLTCは堅調で、出来高が戻り切れていないXRPの戻りが鈍い。一方で、BCHの出来高が少ないのに大きく値を戻した背景も何となく見えてくる。元の水準が低すぎたからだ。即ち、昨年11月の分裂騒動でピーク時の3%を切る水準まで値を下げていたBCHは(少なくとも短期筋の)売り玉が尽きていた事が推察される。また、これだけの出来高が回復しているのだからETHはもう少し値を戻しても良さそうだ。因みに、今回はBCH単体にBCHにBSVを足したものを加えたが、両者に大きな特徴の差は無さそうだ。

今回は、XRPとBCHの出来高が意外に戻り切れていな事以外は、ほぼ想定通りの分析結果だった。しかし、念のため、ピーク時の基準値を纏めていて気付いた事がある。2017年12月から翌年1月までのピーク時は、BTC→LTC→BCH→XRP→ETHと今回の好循環とほぼ同じ順番だったのだ。これは偶然かもしれないし、二巡目が訪れないと決まった訳では無いが、小職が今回の好循環が一巡したと考える一因だ。BTC・LTCの上昇は一段落するがこの水準の出来高が続くようなら一段高も狙えそうだ。一方で出来高は大したことは無かったが売り圧力が弱かったおかげで大きく上昇出来たBCHは後が続き難いだろう。XRPも出来高は逆に昨年秋にポジションを整理しきれていない事が上値の重さの一因か。一段の上昇にはもう少しの盛り上がりと出来高が欲しいところだ。ETHに関してはまだ上昇余地があるかもしれない。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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