2019.4.26【どうなる?GW中の仮想通貨相場。平成最後のWeekly 】

2019-04-26 18:29[ 松田康生

Weekly Report 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン ビットコインキャッシュ ライトコイン リップル イーサリアム



Review

やはり60万円台乗せ

今週のBTC相場は堅調な推移。暫く重かった60万円台に乗せると63万円までショートカバーを引き起こしたが、この水準では上値が重く60万円近辺まで反落している。G20でのマネロン以外でも協調していこうとする動きやBakktのカストディアン申請は承認への第一歩だとCFTC委員長が仄めかした事もあり60万円台に乗せると60万円台をバックにした短期筋のショートの買戻しが殺到。63万円を付けた後、本邦交換所への立入検査や孫社長がBTC投資で150億円の損を出したといった報道もあり一旦は反落した。その後、63万円を2度トライするも失敗すると、トークンセール参加の保有期間を終えたBNBやアルトコインの下落に連れ60万円台に反落した。その後、若干値を戻したが、NY州司法長官がBitfinexとTether社を訴追したことでテザーの裏付けとなる法定通貨が十分存在しないのではとの思惑で一時56万円台まで急落している。

Outlook

60万円乗せも70万円は時期尚早

来週のBTC相場は底堅い推移を予想する。先週は「レンジの上限を探る展開」を予想、60万円にきちんと乗せてくると申し上げた。正にその通りの展開となった。理由として、昨年の9月から11月にかけて60万円台をサポートに揉み合っていた時期の出来高に、4月に入って50万円を上抜けてからの出来高が追い付いてきたからだ。即ち、60万円近辺のやれやれ売りが尽きるだろうという見立てだったが、あまりにタイミングが一致してこちらが驚いたほどだ。しかし60万円台に乗せたとしても70万円台まで突き抜けるのには時間がかかると考える。何故なら、65万円台近辺をサポートとしていた2月から11月の間の出来高は約1.5兆ドルと上記出来高の5倍以上あるからだ。ただ、3週間で3000億ドルに達した今の出来高のペースが続くならば、あと3ヶ月程度で到達するかもしれないし、それまでのレンジの上限は70万円でなく、80万円程度まであるかもしれない。その辺りは現時点でははっきりしないが、70万円に達するのは時期尚早だという事はご理解いただけよう。

テザー問題で落ちてはいるが

今朝方はテザー問題の再燃で61.5万円から56万円まで急落したが、半値戻しとなる59万円近くにまで値を戻している。これはどういうことだろうか。Bitfinex側が当局の主張を全面否定した事やテザーに不安が広がった結果、BTC等に逃避買いが入った事も挙げられる。ただ、注目すべきは当のテザーは若干売られたものの99セント程度で安定していることだ。仮に、NY州当局の主張が正しかったとすれば、裏付けも無く発行した運営側は糾弾されるべきかもしれないが、だからと言ってテザーが無価値になる訳ではない事を示しているのではないだろうか。そもそもBTCにもETHにも裏付けとなる資産は何もない。人々がこれは価値がある、テザーは便宜的にほぼ1ドルだとしようと合意さえしてしまえば、1ドル付近で流通可能だという事を示しているのかもしれない。銀行が預金と同額の現金を保有していないのに取り付け騒ぎが起こらない事と似ている。テザーの場合、どこまで信用を失えば取り付け騒ぎ的な動きに陥るのかは不明だが、現在のところ大丈夫そうだ。更に、BTC市場自体はテザーがダメなら他のステーブルコインを利用すればいい事だ。

GW中のアノマリー

ところで、今回のWeeklyは平成最後だが、このGW中の相場に関し、様々な人が様々なことを言っている。長期休暇はリスクオフになり易いという意見が良く聞かれ、フラッシュクラッシュに警戒という人もいる。おそらく、今年のお正月の円高のイメージに振らされているのだろうし、実際にお正月休みに円高が進んだ事も何度かある。ただ、出来ればそういう意見はきちんと調べてからコメントして欲しいもので、リスクオフのメルクマールとされるドル円市場にお正月やGWに円高になり易いというアノマリーは無い。為替などデータが整備されているのだから、10分もあれば調べられる。仮想通貨はどうかと言えば、4/27-5/7までの間の騰落率を見ると、過去5年間はいずれも上昇している。実は2013年は17%下がり、2011年は92%上昇しているので、それほど強くは無いが、GW中は緩やかに上昇する傾向があるとデータは示している。


予想レンジ BTC 50万円~70万円

そうした中、GW中のBTC相場はレンジの下値を固めた上で、再び上限を再度試しに行くと考えている。上値の目途は昨年2月や6月の安値となる65万円近辺か。ただ、月央にかけての反落には注意が必要だと考えている。Monthlyでご説明するがSell in Mayだからだ。

Altcoin

ETH:今週のETH相場は高値圏での揉み合い推移も、週末にかけて値を崩す展開となった。創始者ヴィタリック・ブテリン氏がPOS後のマイニング報酬案を発表、発行ペースが鈍化することが好感されるも20000円近辺では上値を重くする展開。著名アナリスト、トム・リー氏がアルトシーズンの到来を予想、BTCの60万円台乗せもあり再び20000円を伺うもハッキング集団が45000ETHを盗み出しているとのレポートもあり失速。ソシエテ・ジェネラルの子会社がイーサリアムプラットフォームを利用して1億ユーロの起債をしたとのニュースにも反応は限定的となった。19000近辺で一旦、下げ止まるも、BNBの急落からアルトコイン全面安の展開に18000円近辺まで値を崩すも、サムスンがイーサリアムプラットフォームで独自トークン発行を検討しているとのニュースもあり若干の反発を見せていたが、テザー問題もあり一時17000円を割り込んだが、若干値を戻している。

来週のETH相場は堅調な推移を予想する。先週ご紹介したがフォーブスが発表したブロックチェーン技術を利用しているトップ企業50社のうち23社がイーサリアムを利用している。今週もソシエテ・ジェネラル子会社の1億ユーロの起債、サムスンの独自トークンとイーサリアムプラットフォームを利用する動きに枚挙が無い。加盟行が200を超したと話題となったJPモルガンのIINもイーサリアムベースだ。出来高も回復する一方で、昨年の様な大量ICO発行による需要の先食いも一段落している。逆にIEOやSTOなどICO復活に向けた動きもある。敢えて言えば、昨年ICOで巨額調達したプロジェクトの換金売りが続いている可能性はあるが、ETHは過小評価されているのではないだろか。20000円台乗せは時間の問題と考える。

XRP:今週のXRP相場は軟調な展開。前週の米国を基盤とするHuobi.comでの取り扱い開始もあり37円台で比較的堅調に推移。モネロやBNBなどの上昇が一服すると36円台を割り込むも37円近辺に値を戻す展開。しかし、JPモルガンが主導するIINのネットワーク参加行が200を超し、Business InsiderでSWIFTもGPIで逆襲を仕掛けていると言った記事も出回るとBTCの60万円台乗せに反して上値を重くする展開。マネックス証券が傘下のコインチェックとの協働策として同社のポイントでXRPなどと交換できるキャンペーンを開始するもBNB発のアルトコイン全面安の展開に34円割れまで急落、テザー問題で32円近辺まで値を下げている。

来週のXRP相場は上値の重い展開か。昨日のアルトコインの急落局面で主要通貨の中でXRPが最も激しく下落、遂に主要仮想通貨で唯一、月初来でマイナスという事態に陥った。この異常事態の背景にはやはり運営側の売り圧力を指摘せざるを得ない。リップル社の第1四半期の決算では市場で前期比20%増となる107百万ドルのXRPを売却している。1日約1百万ドルで、他の通貨のマイナーの報酬と比べて売り圧力は強い。ただ、出来高も足元では1日10億ドル近くあり吸収できない水準ではない。以前のトピックで、保有するXRPの価値を高めたいリップル社がアプリ開発などXRP普及推進を担う分、コストも高いと申し上げた。POWのマイナーはネットワークを維持するだけで、それ以外の開発や普及の管理体制は曖昧で時として分裂騒動を引き起こすことと比べれば、きちんとした企業体での管理は多少のコストが高くても安心感がある。一方で、証券問題を抱えるリップル社にとってXRPの普及推進はあくまで経済合理性であって、保有者に対する責務ではないという立場だ。しかし、3か月毎に市場から100億円近く調達しておいて、それは私の仕事ではありませんでは、このエコシステムは成立しない。

確かに次世代送金システムを巡ってはJPモルガンやSWIFTなどとの競争が激化しており、リップルネットによる多数派工作が重要な事は理解できる。しかし、いくら銀行相手にxCurrentを売り歩いても、リップル社の売上は上がっても、XRPの需給に与えるインパクトは無い。大学に寄付してもすぐに花咲く訳では無い。こうしたXRP相場が厳しい状況にある時こそ、リップル社にはxRapidを中心とした、XRPの実需拡大策にもっと真剣に注力すべきだろう。

BCH:今週のBCH相場は高値圏での揉み合い。先週のBinanceショックを受け、週初にはBSV側でチェーンが分岐するトラブルもあり34000円台と高値圏で推移。アルトコインの反落もあり32000円台に値を落とすも、Bitpoint社がBSVを日本円で支払ったこともあり34000円台を回復。その後はアルトコイン全面安の流れに加えテザー問題で30000円を割り込んでいる。従来のパターンとして5月15日頃とされるハードフォークまでは底堅く推移しようが、BCH自体に特段材料がある訳でなく、その後の反落には注意が必要だ。

LTC:今週のLTC相場は目立った材料が無い中、軟調に推移した。9000円台で始まるもモネロやBNBの上昇が一服すると8000円台に値を下げ、BTCの上昇もあり9000円台をトライするも失敗、アルトコイン下落の流れとテザー問題で8000円割れでの取引となっている。ただ、GW明け11-12日にマジカル・クリプト・カンファレンスというイベントを財団が後援しており、従来のパターンで行けば、それまでは底堅く推移するか。


FXcoin Weekly Report 2019.04.26.pdf











松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

アーカイブ

金融庁のホームページには以下の留意事項が掲載されています。
暗号資産交換業者登録一覧 
https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf

  • 本一覧に記載した暗号資産は、取り扱う暗号資産交換業者に説明を求め、資金決済法上の定義を満たしていることが確認されたものにすぎません。
  • 本一覧に記載した暗号資産は、金融庁・財務局がその価値を保証したり、推奨するものではありません。暗号資産は、必ずしも裏付けとなる資産があるわけではなく、財産的価値を有すると認められた電子データに過ぎないことにご留意ください。
  • 暗号資産の取引を行う際には、以下の注意点にご留意ください。

暗号資産を利用する際の注意点
https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/04.pdf

  • 暗号資産は、日本円やドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データです。
  • 暗号資産は、価格が変動することがあります。暗号資産の価格が急落し、損をする可能性があります。
  • 暗号資産交換業者(※)は金融庁・財務局への登録が必要です。利用する際は登録を受けた事業者か金融庁・財務局のホームページで確認してください。
    (※)暗号資産と法定通貨の交換や、暗号資産同士の交換を行うサービスを提供する事業者、暗号資産の管理を行う事業者など
  • 暗号資産の取引を行う場合、事業者が金融庁・財務局から行政処分を受けているか(※)を含め、取引内容やリスク(価格変動リスク、サイバーセキュリティリスク等)について、利用しようとする事業者から説明を受け、十分に理解するようにしてください。
    (※)金融庁・財務局が行った行政処分については、こちらをご覧ください。 https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency02/index.html
  • 暗号資産交換業者の提供するウォレットで暗号資産を管理する際に、パスワードを設定する場合には、IDと同じものや利用者の名前、電話番号、生年月日等の推測が容易なものを避けるほか、他のウェブサイトと同じID・パスワードの組合せを使用しないなどの対策を講じる必要があります。管理する暗号資産が盗まれるおそれがあります。
  • 暗号資産や詐欺的なコインに関する相談が増えています。暗号資産の持つ話題性を利用したり、暗号資産交換業に関する制度改正に便乗したりする詐欺や悪質商法にご注意ください。

取引にあたっての注意事項

  • 取引にあたり手数料が発生することがあります。手数料の詳細については、こちらをご確認ください。
  • 取引ではスプレッドが発生します。スプレッドとは売値(BID)と買値(ASK)の差のことで、レートの変動によって値幅が広がる場合、狭まる場合があります。
  • 暗号資産取引では価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。取引にあたっては、各種約款、契約締結前交付書面やお客さま向けの資料等をよくお読みになり、取引の内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

暗号資産に関するリスクについて

  • 暗号資産は、日本円等の法定通貨とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
  • 暗号資産取引に使用する秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を利用することができず、その価値を失うことがあります。
  • 暗号資産は、ブロックチェーンその他の記録の仕組みが破たんした場合には、その価値が失われることがあります。
  • 暗号資産の価格が変動することによって損失が発生することがあります。
  • 暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り、代価の弁済のために使用することができます。
  • 当社はお客様の資産を当社の資産とは分別して管理おりますが、当社が倒産した場合には、預託された資産を返還することができない可能性があります。
  • 当コンテンツは投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的としたものであり、投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるようお願いいたします。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社及び本情報提供者は一切の責任を負いません。

FXcoin 株式会社

  • 暗号資産交換業者:登録番号 関東財務局長 第 00019 号
  • 所属する認定資金決済事業者協会:一般社団法人 日本暗号資産取引業協会