2019.5.9【ECBドラギ総裁、仮想通貨は危険~悪材料こなす】
2019-05-09 08:31[ 松田康生 ]
通貨 | BTC | ETH | XRP | BCH | LTC |
価格 | 648,283 | 18,783 | 33.2 | 31,465 | 8,261 |
前日比 | +0.5% | ▼1.8% | ▼0.2% | ▼1.2% | ▼0.9% |
Review
悪材料乗り越える
昨日のBTC相場はBinanceのハッキング事件で急落するも反発、悪材料が続く中、底堅さを見せ、相場の地合いの強さを印象付ける展開となった。ETHの上昇もあり66万円をトライするも失敗、Binanceがハッキング被害を公表すると62万円台まで値を下げた。しかし、同社が被害額は保険(基金)でカバーされるとしたことや、同社CEOが発表の数時間後に利用者の質問に回答(AMA)したこともあり安心感が広まった。ただ、AMAでBTCコア開発者からブロックチェーンの書換の提案があったことで若干不安も広がったが、同氏は不採用を表明した。その後もECBドラギ総裁が仮想通貨は危険とのコメントなど悪材料が続くも底堅さを見せている。
Outlook
それでも6000ドルは重いか
本日のBTC相場は高値圏での揉み合いを予想する。Wechatの仮想通貨取引禁止、Bitmainのハッシュレート低下、Binanceのハッキング、米対中関税引上げ、ドラギ発言とこれだけ悪材料が続いているにも関わらずBTC相場は底堅さを見せており、地合いの強さを示している。仮想通貨業界内の事情より、既存の法定通貨に対する疑問視が勝っているといったところか。仮想通貨を批判するドラギ総裁だが、ではマイナス金利での貸出を検討されているユーロに投資しろとでも言うのだろうか。こうした中、6000ドルを再トライするのは時間の問題だろうが、こうした消極的材料だけでは、その水準を抜けるには材料不足と考える。
FXcoin Daily Report 2019.05.09.pdf
松田康生 (まつだやすお)
営業推進部 部長代理
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。
短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda