ホットな可能性とクールな視座

2018-08-27 16:06[

田中泰輔の通貨にまつわる仮想 仮想通貨 投資

金融新時代への知的興奮、そして…

仮想通貨に出会った時には、知的興奮に駆られ、未来の可能性に思いを馳せた。コンピューター・ネットワークの参加者が皆で取引をチェックし、政府・中央銀行の管理を離れたところで、自由に取引でき、世界中に移動できる仮想通貨。その普及は従来の金融のシステムや政策、そして社会をどう変えるのか。やがて仮想通貨の相場が大ブームとなり、新時代への「革命」と呼ぶ論調も溢れた。
一方、長年金融を生業としてきた身からすると、監視と制御が行き届かない仮想通貨に疑問も少なからず湧き上がった。当然のことながら監視を嫌う良からぬ輩の資金が群がる。ネットワーク参加者の相互チェックで安全とは言え、その抜け穴をほじくり出そうという連中とイタチごっこになることは避けられない。相場の適正な価値はどこにあるのか。価値が見えない相場の暴走は、社会に暴力的なインパクトを発揮する事態がありえる。

経済とカネと情報のバランス

基本に立ち返ってみよう。金融とは文字通り、金(カネ)を融通すること。カネの巡りが悪い社会は、使う当てのない資金が滞留し、資金を得られない事業や投資の素晴らしいアイデアが実現できないままになる。これでは、より幸福な社会を作り、成長・発展していく機会を損なってしまう。
国内外のカネの巡りを凝視し続けて35年、常に肝に銘じているのは、カネの動きは情報を伴うということ。カネが動く背後には、モノやサービスの購入、送金、事業・投資、あるいは違法取引の資金洗浄など、何らかの意図や必要がある。実体経済とカネと情報は密接不可分に絡みながら動く。
しかし、労働力や資源や技術など実体に制約される経済より、カネは遙かに柔軟にダイナミックに動く。1年に実体経済の変化は数%でも、より機動的に動くカネは金融・為替市場を10数%かそれ以上動かす。更にそのカネの周囲では、情報、すなわち言葉が遙かに自由に飛び交い、市場を一日だけで数%振らせることもある。
もっともこれを逆にたどると、情報に振らされた市場が1日1%動いても、年間250営業日で250%動く訳ではなく、マネーの制約で10数%の変動にとどまる。このマネーの動きも実体経済の年数%の変化の周囲にとどまるよう制約されている。経済全体で見れば、金融のリターンは地道な実体経済からの利得でしか賄われないからだ。

礎としての市場ルール

金融市場に臨むとき、この実体経済とカネと情報のバランス感覚を見失わないよう心がけている。眼前の市場の動きは実体経済の価値の裏付けがあるのか、それを超える動きのうちカネの力によるものはどこまでか、情報に煽られた部分はどの程度か、を考える。
2016~17年の仮想通貨相場の倍々ゲームの高騰、1日に20%前後の上下動が頻出する事態は、このバランス感覚からは何とも正当化しがたいものになった。しかし逆にこの事態が、仮想通貨の実体経済の価値の裏付け、政府・中央銀行による規制の是非、そしてセキュリティのあり方などの問題を強く提起した。
仮想通貨市場は程なく反落場面に移った。ハッキングによる大手業者からの資金流出事件の有無にかかわらず、相場の調整は自ずと起こっただろう。しかし一連の展開を経て、仮想通貨市場という新時代の可能性が、広く信認を得て、長く健全に発展していくための礎(いしずえ)として、市場の透明性と安全性を担保するルールの必要性が認識された。


この点を私の身近で早くから喝破していたのは、当FXcoin社の大西知生CEOだ。大西氏は、外国為替市場の透明性を確立し、信用ある市場にするためのルール作りで、長年日本の責任者を勤め、世界をもリードした人物である。その彼が、仮想通貨などフィンテックの未来の可能性を熱く語りつつ、仮想通貨市場のルール、安全性、リテラシーの欠如を嘆いていたと思ったら、そのまま仮想通貨を扱う会社を作っていた。
大西氏は、外国為替市場での古くからの友人であり、同僚としても長年仕事をした。その縁で当欄を執筆しているが、あまり持ち上げると本人も面映ゆかろう。しかし、外国為替と仮想通貨は取引市場としての類似性が高く、彼の経験・知見が適正なルールの普及に資することは疑いない。私のみならず、市場関係者、金融当局者からも内なる改革者として大西氏の参画への期待は大きい。

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