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2019.6.3【ビットコイン相場、6月はどうなる?月足5連騰を予想する理由】

2019-06-03 18:27[ 松田康生

Monthly Report 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン ビットコインキャッシュ ライトコイン イーサリアム リップル



Review

強気相場入り

5月のBTC相場は大幅続伸。4か月連続の陽線で100万円にあと一歩まで到達、強気相場入りを確信させる動きとなった。テザーの裏付けが26%不足している事が判明、また世界最大手のひとつであるBinanceでのハッキングといった大きな悪材料にも底堅さを見せると、米中貿易戦争を嫌気した株安や人民元安などもあり逃避買いもあったか90万円近辺まで急騰。BitwiseやVanEck分のETF判断が延期されたこともあり上値を重くするが、70万円台に押したところではBitfinexがIEOでテザーの担保不足分の調達に成功した事もあり底堅さを見せていた。BTCの半減期まで1年を切ると、3ヶ月先に半減期が迫ったLTCが上昇、国内最大手交換所のレバレッジ倍率引き下げによるショートカバーもあり97万円台まで急騰した。更に米債金利の低下などもあり99万円近くまで上昇するが、米ドルで9000ドル水準で達成感が出た事もあり、87万円台まで急落を見せている。

Outlook

レバ引下げでも国内出来高急増中

先月は「地合いが好転していても相場は上がったり下がったり」とし、基本的には堅調な相場が続くが、Sell in Mayで株が軟調になることもあり月央から反落すると予想、相場が56万円だった際に50-70万円のレンジを予想したが、相場は100万円手前まで上昇した。実際、月央には91万円から73万円に反落、月末にも99万円から87万円への急落を見せるも、それを跳ね返す強い買いが見られた。その背景として、ひとつは金融緩和、特に米利下げ観測による米債金利低下や米中貿易戦争激化による人民元や韓国ウォン安を嫌気した逃避需要が挙げられる。もうひとつは3月25日を境とした国内交換所を巡るイメージの改善だろう。下は国内交換所におけるBTC出来高(含む証拠金)だが、3月の4.8兆円に対し、4月は9兆円、5月は12兆円となり、ピークだった17年12月に並ぶ勢いだ。レバレッジ倍率の引き下げ中にこれだけ増加している事は特筆ものだ。足元では国内交換所の新規口座開設ブームも聞かれており、もう一段の買いが期待される。

アノマリー

毎月ご紹介しているアノマリーだが、先月はBloombergのデータで遡れる2010年10月以降、3か月連続で陽線となった10回のうち3ヶ月で終わったのは3回しかないとし、5月は上昇する可能性が高いと予想した。これで4ヵ月連続の上昇となったが、過去7回のケースを見ると、4ヵ月で終えたのが1回のみ。残りは5ヶ月連続が3回、6か月連続が3回だ。また季節性で見ても6月は6勝2敗で上昇する方が多く、今月は上がり易いと考えた方が良さそうだ。ただ、2013年のバブル後のボトムから2倍に値を戻してから3倍を付けるまで1週間程度しか要していないが、そこから4倍まで221日、5倍を付けるのはそこから更に188日を要している。昨年12月のボトム35万円に当てはめれば、70万円を付けてから105万円までは比較的早く到達するが、そこから140万円、175万円と付けるにはそれぞれ半年以上かかることとなる。たった1回の例なので、あくまで目安とお考えいただきたいが、この相場も3番バスくらいは出発しているということか。

G20に向けて

今月はいよいよ日本が議長国となるG20が開催される。Weeklyで申し上げた通り、G20に向けて仮想通貨は買われる傾向がある。機関投資家を含め投資家のすそ野を拡大するには規制の整備が不可欠で、各国でなく国際的に協調する必要がある。今回漏れ伝わるところではマネロン関係のFATFだけでなく、利用者保護などでも各国の規制の足並みを揃えようとする動きが日本を中心に見られている模様だ。ただ今回は6月8-9日の財務相中銀総裁会議(福岡)と28-29日の首脳会談(大阪)と続く点がややトリッキーだ。即ち、どちらに向けて上昇して、どちらでSell the Factとなるのか読みにくい。BTC相場は引き続き堅調な推移を予想するが、上値も限定的、105万円プラスアルファ程度ではないかと見ている。

予想レンジ:80万円~110万円

Topic

何が起こった?GW中にビットコインが買われた理由と今週の予想
GW中のBTC相場は総じて堅調な値動きとなった。BTC上昇の背景として、テザー問題で相場が崩れなかった事と代替投資先としてのBTCの認知度の向上が挙げられると考えている。テザーの裏付け資産が足りないというのは最悪のシナリオだったが、相場には最悪の事態が実際に起こってしまえば、こんなものかと開き直る習性がある。世界景気の失速を懸念して各国中銀が金融緩和方向に舵を切りつつあるタイミングで、個人は自己防衛として分散投資の一部にBTCを組み入れるという動きが出ても不思議では無い。
週末にビットコイン急騰、2017年の再来はあるか?
テザーの裏付け資産が不足している事が明らかになり、また世界最大手のBinanceでのハッキング事件と市場が最も恐れていた悪材料にも関わらず上伸、昨年2月から11月まで9か月間もサポートとなっていた6000ドル(約66万円)の水準を上抜けると、土曜日には76万円台、日曜日には一時86万円台を付けた。この3日間の特徴としてアジア時間に大きく上昇している。韓国ウォン安による逃避需要や3月25日を境にした国内仮想通貨業界のイメージ改善も後押したか。2015年以降で10日間に3割以上上昇したケースでは、その後1ヶ月上がり続けたのは2017年のバブル時のみ。まだバブル到来には時期尚早であり、どこかで反落するか。
Bakktの登場により何が変わる?イールドカーブの誕生。
Bakktから発表された進捗状況だが新味は7月にテストを開始、話題となったが、何故Bakktはこれほど注目を浴びるのか。これは実質的に現物市場がCFTCの監視下に入るからと考えている。今回は、加えて限月取引やポジションのロールなども可能となる。これはBTC現物のフォワードスワップが開始されるという意味を持ち、その結果、BTCの金利カーブが誕生する可能性がある。
米中貿易戦争の仮想通貨市場への意外な影響
5月に入って仮想通貨相場が強い理由はテザー問題やバイナンスのハッキングと言った最悪の材料で下がらなかった事が大きいが、それは強いから買われたというトートロジーだ。また景気悪化による金融緩和へのシフトとそれによる代替資産需要や本邦における仮想通貨業界を巡る環境の変化も挙げられる。米中貿易戦争の激化による株安と人民元安による逃避需要も無視できない。折しも韓国ウォン安も進んでおり、両国からのフローがBTC高を演出した事が伺える。
どうなるXRP?出来高に見る復活の兆し。
今年に入っての上昇相場でXRPの出遅れが目立っている。何故、XRPは上値が重いのだろうか。有用性ではJPモルガンのコルレス間でしか使用できないJPMコインやテスト段階のIBM・ステラ連合のWorld Wireより先行。xRapidが普及しても需要は増えないとの指摘はその通りだが、その先の企業間決済に大きなポテンシャルがある。XRPは昨年9月から11月、そして今年1月に期待感から買われており、そのポジションが上値を重くしている可能性があったが、足元の出来高を見ると、4月以降の出来高が、それらの時期の出来高を凌駕しようとしており、そうした戻り売りをこなした可能性がある。60円台までの上昇を見込んでいる。
リップル社CEOの発言に見るxRapid普及のカギ
リップル社のガーリングハウスCEOは20日、同社が手掛けるXRPを用いた送金によるスピードの改善と手数料の削減について、99%の銀行はリップル社を使いたがっていて、残りの1%のマネーセンターバンクがそれを拒んでいるとした。銀行がxRapidを利用しない理由の一つがXRPを媒介するとExchangeが為替市場ではなく、仮想通貨交換所で発生するので、売買益が入らなくなる可能性があることだ。顧客の為替オーダーをはインターバンク市場でカバーする銀行と自分たちでマーケットメークしてトレーディング収益を得る銀行があるが、そうした売買益を気にするのは後者のマネーセンターバンクが中心。特に米マネーセンターバンクはコルレス口座から大きな収益を得ており手放したくない訳だ。同じ大手でもマイナス金利の日欧とは温度差がある。JPMコインの登場はそうした米銀の危機感の現れと言えよう。
ビットコイン急騰の裏に日本あり?令和組参戦による今後の展開。
Cointelegraphが本邦交換所3社へ取材した結果、5月には入り、1日あたりの新規口座開設数が3月対比で2~3倍に増えている事が判明、4月も3月対比で1.3~1.9倍に増えていた模様で、当社では本邦交換業を巡る動きが集中した3月25日を本邦仮想通貨業界の再出発の日とし、これ以降のイメージの改善が今の活況に繋がっていると申し上げて来たが、そうした主張がようやく数字に表れてきた。国内の交換所のBTC出来高にも表れており、国内交換所のBTC取引高も3月の4.8兆円から4月の9兆円へ1.8倍に増加している。令和組の参戦でここから更に上積みが見込めるとすれば、6月頃には91万円の上値を突き抜けているかもしれない。

Altcoin


ETH:5月のETH相場は大幅上昇。2万円台突入は時間の問題と先月申し上げたが、2万円どころか3万円台を回復した。イーサリアム2.0テストネットがローンチ、CFTCがETH先物に前向きとの報道もあり2万円を伺う展開。BTCとETHに連動するETFが申請されたと伝わるとBTCの急騰もあり2万円台を回復した。創始者ジョセフ・ルービン氏がイーサリアム2.0によりスケーラビリティーが1000倍に拡大するとし、同じく創始者ヴィタリック・ブテリン氏と共同でイーサリアム2.0の開発に寄付をするなど開発に向けた期待が高まると、出遅れていたETHに循環物色気味の買いが入り3万円近くまで急騰した。その後はBlockFiがETH預金金利を引き下げた事もあり上値を重くしたが、今年中にも予定されるイスタンブールの改善提案が公表され、またブテリン氏がイーサリアム2.0のビーコンチェーンの使い勝手を良くする提案をしたことなども好感され、32000円近辺まで値を上げるが、27000円近辺までの調整を見せている。

6月のETH相場は堅調な推移を予想する。細かく書ききれないが、各種ステーブルコインやJPMのクォーラム、世銀債やゲームアプリなどプラットフォームとしての需要は高まるばかりでトランザクション数も急増している。将来的にスケーラビリティーを解決できるかに注目が集まるが、この点で着々と準備が進んでいる事が買い安心材料となっているのだろう。国内では金商法改正でSTO実現へ一歩前進が見られており、ETHの先行きは明るい。BTCは昨年7月の水準を目指しているが、ETHで言えば5万円台となる。ICOブームだった昨年と単純には比較できないが、上昇余地はまだあると考えている。

XRP:5月のXRP相場は大幅上昇。4月以降の上昇相場に完全に出遅れていたXRPだが5月は何とかそん色ない上昇を見せた格好。xRapidの広告がGoogleに登場、xRapidをサポートしているxCurrent4.0がリリースされるなど好材料が続いたこともあり何とか下げ止まったXRPだったが、独2位の証券取引所がXRPをベースにしたETNを上場し、またCoinbaseがNY州でもXRP取扱を開始すると一気に50円台まで急騰。しかしすぐに反落を見せると、やはりXRPはダメなのかと重い空気が市場に流れた。しかし、ガーリングハウスCEOがスイス中銀主催のカンファレンスでラガルドIMF専務理事にxCurrentはSWIFT2.0でありxRapidもアピールしたと伝わると切り返し、タイのサイアムコマーシャル銀行がXRPを利用した送金を示唆し、カシコン銀行もリップルネット利用の方向と伝わると底堅さを増した。ブラジルの大手証券会社がリップル社と開発した送金ツールSIMPLEを発表すると循環物色気味に買いが入ると再び50円台を回復。50日と200日の移動平均線がゴールデンクロスしたことも追い風となったか。その後、反落し45円近辺での取引となっている。

先月は「XRPは主要通貨の中で明らかに出遅れており本邦でのマインド回復もあり底堅く推移しようが、もう一段のヘッドラインが欲しい」としたが、5月はいくつかヘッドラインが出て来た事もあり、月次で見ると何とか他の主要通貨並みのパフォーマンスを見せた。特にスイス中銀でのカンファレンスでは民間企業としてリップル社のみが招待される等、当局と良好な関係を保っている。別稿で説明した通り足元の出来高の急増で昨年9月以降に高値掴みしたポジションの戻り売り圧力は相応にはけてきていると考えている。またXRP人気が高い国内交換所の新規口座開設ラッシュはXRPのサポートとなる。XRPは徐々に出遅れを取り戻していくと考えている。

BCH:5月のBCH相場は大きく上昇。取引の半数を1つのアドレスが実行、Bitmain社のハッシュパワーが大幅低下といったネガティブな報道に上値を押さえられていたが、15日のHFに向け大きく値を上げる展開。その15日にはバグが発生、更に後に攻撃を受けていたものを大手マイナーが結託して51%攻撃が行われていたことが判明、更にはクレイグ・ライト氏がBTCのホワイトペーパーやコードの著作権を登録したといった信頼性を毀損しかねない悪材料ばかりだか不思議なほど底堅い推移を見せた。更に、クレイグ氏がサトシのBTCを動かしBinanceが謝罪しBSVを再上場させたとのデマにBSVが急騰すると、これまたBCHも上昇、遂に5万円台に乗せたが、これがデマと判明すると流石に反落を見せている。

LTC:4月のLTC相場は大きく上昇。LTC財団が後援するカンファレンスや格闘技イベントが開催されると上昇、終わると反落すると言った展開を繰り返していたが、スタバを含む米小売り15社が仮想通貨決済を受入れるとの報に100ドル乗せに成功。一旦反落するも、BTCの半減期まで1年を切り上昇要因となるとの見方が拡散すると、同じく半減期まで3ヶ月を切ったLTCに注目が集まり急騰を始める形となった。この強い相場を見てCNBCではキャスターが家や車を売ってLTCを買えとのジョークを飛ばしたが、同番組で報道されると相場は逆に動くときが多いとのレポートも出される中、相場は反落する形となった。


FXcoin Monthly Report 2019.06.03.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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