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リブラは虎の尾を踏んだ?各国当局から警戒される理由

2019-06-24 18:35[ にく

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日曜日は息子のリクエストでハワイアンズに行って来ました。土曜はゴルフだったので泊りがけでは行けず、福島日帰りの強行軍です。とはいえ、川口から飛ばしていけば2時間程度で、帰りも渋滞が無いので箱根や河口湖などと比べれば比較的マシではあります。家族を朝早く叩き起こし、ベイブレードで遊びたがるハッピーセットで釣り、何とか8時半に家を出発、休憩を挟んで、現地には11時頃に到着しました。驚いたのは駐車場の遠さで、宿泊と違うので覚悟はしていたのですが、この時間でも日帰り用の第1、第2駐車場は満車で、第3駐車場は施設と谷を挟んだ山の上で、こりゃ大変だと思いきや、送迎バスがあり、比較的アクセスも問題ありませんでした。また、宿泊だと2日間あるのでダラダラしてしまうところ、日帰りで時間の制約がある分、効率的に遊べた気もしますし、2時間ならありかなと思います。ただ、ドライバーは流石に疲れるので、行くなら土曜日の方がいいですね。

息子のリクエストに加えてハワイアンズに行くことにした理由は、お天気が悪そうだったことと、もう一つは2歳の娘が水泳を習い始めた事があります。アームリングという腕に付けるタイプの浮き輪で浮くことが出来るようになったという事なので、早速見てみたいと思ったわけです。我が家では、小さな子供用の両足を入れるタイプの浮き輪を使用していたのですが、つい最近になって4歳の息子が普通のドーナツタイプの浮き輪が使えるようになっていました。アームリングタイプだと、より水泳に近い姿勢になります。下の娘がこのアームリングをするとお兄ちゃんも黙ってはいません。自分も同じのをしたいと言い出します。そして、下の子と同じように浮いているだけでは満足できず、足をバタバタさせてアームリング付きですが、5メートルほど泳いで見せました。

今月は、初潮干狩りに始まり、初自転車(補助輪付)、初サッカー(まだ手を使います)、初水泳と初ものが続きました。こうした場面に立ち会える事も子育ての楽しみの一つだなどと言うと家内に怒られそうですが。自分を振り返って、年中から年長にかけての時期に、ブランコの立ちこぎが出来るようになった、キャッチボールが出来る様になった、自転車に乗れるようになった、と様々な事が初めてできた記憶が蘇ります。当時のフィルムは高価だったのですが、初めて買って貰ったグローブで野球の真似をして撮影した写真だけが当時の思い出を呼び起こします。今ではスマホでいくらでも写せるのですが、当時はそうはいきませんでした。逆に、今はスマホで写真を撮ればそれでおしまいというか、スマホが故障すると思い出の一枚も無くなってしまいかねません。そこでクラウドやアルバムアプリを利用する方法もあるのですが、YouTubeやSNSを限定公開して遠く離れた親戚と共有するといった方法もある様です。便利な世の中になったものです。

そのSNSの雄であるFBが仮想通貨リブラを発表して話題となりました。また国内で人気のSNSであるLINEの仮想通貨交換業への参入が報道されています。一方でTwitter創業者のジャック・ドーシー氏は中央集権的なリブラに疑問を呈し、国籍の無いビットコインを評価しました。またGAFAの一翼を成すAmazonは現時点ではFBのような仮想通貨発行を計画していないとしています。かつて、JPモルガンのダイモンCEOは2014年に「われわれはグーグルやフェイスブック、その他の企業と 競合することになるだろう」と述べています。すなわち、リブラが注目されたのは、ダイモン氏が予測したような、GAFAが銀行のライバルとして浮上する第一歩になるのかもしれないという事だったのだと思います。集団左遷でいえば、三友銀行が生き残るためにダイバーサーチとの提携を模索するといった感じでしょうか。それだけ大げさに期待されていたので、既存のコインの良いとこ取りをしている姿勢に若干失望感も出はしましたが、未だに期待感は拭えていません。

一方で、一つ残念だったのは、世界中の規制当局から総スカンに近い状況になった事でした。これには事前の根回しの不足やFATFがこれだけ盛り上がっている中でのAML/CFT関係の詰めの甘さなど枝葉末節(とは言えない大テーマですが)もあるのですが、もっと深い問題が横たわっていると考えています。端的に言えば、銀行業には兼業規制があるからです。銀行の様に広く預金を集めて貸出など運用する金融機関には厳しい規制が課されています。その一つが兼業規制です。日本では銀行の健全性維持などの観点から他業を禁止されていて、子会社でも業務範囲が制限されています。一方で、一般企業は銀行子会社を保有することが認められています。すなわち、銀行から商業への参入はダメで、商業から銀行への参入は認められる体制でワンウェイ規制と呼ばれています。これに対し、米国ではどちらも認められておらず、ノーウェイ規制と呼ばれ、一方で銀証の垣根も無い欧州では一定の条件の下で相互参入が可能でツーウェイ規制と呼ばれています。では、FBが銀行に参入するならば、銀行もSNSに算入させればいいではないかという気もしないでも無いですが、そう単純な問題でもありません。

ここからは私見ですが、何故そうした規制があるのでしょうか?1つには預金とは信用の上に成り立っているので、副業の影響を遮断することが考えられます。2つにはグループ会社に貸出して預金を毀損させる恐れがあることもあるでしょう。しかし、日本の場合は銀行の様な巨大資本が産業を支配してしまうことを防止しているという面が大きいと思っています。よくお金は寂しがり屋なので、あるところに集まると言われています。資本主義社会でも放っておいたら体力勝負で大きい会社がどんどん大きくなりかねません。戦前の様に金融資本と産業資本とが統合して財閥の様なコングロマリットを形成すると猶更です。更にマルクス経済学では、そうした巨大資本が経済でなく政治も牛耳って帝国主義を推し進めたと考えている様です。大戦の原因とまでは言わなくとも、独占や寡占により消費者が割を食ってしまう訳です。

結局、この金融資本と産業資本の分離問題は独占や寡占は良くないという資本主義の歴史の中で育まれてきた経緯を無視して、世界で数十億のユーザーと情報を独占しているので、金融に進出したら顧客を独占できるという考えは甘いと言わざるを得ません。一企業が顧客からお金を預かるなら預金取扱金融機関に準じる規制を受ける必要があるでしょうし、それを裏付けに世界通貨を発行すると言い始めたら、国家主権の侵害と言われかねません。信用できる企業が集まった非営利の協会が行うとなると、最終責任は誰が取るのかという問題にもなります。そうした問題を飛び越して、世界の金融包摂の為の金融インフラを構築すると大風呂敷を広げた結果、虎の尾を踏んでしまったのだと考えています。

少し硬い話になってしまいましたが、例のハワイアンズの日帰りですが、駐車場からの送迎中に運転手の人が説明をしてくれます。中でもビッグアロハというスライダーの全貌が駐車場側から一望できるので、日本最高かつ最長である事、1回500円だが800円でクィックパスが購入できる事、更に新調制限が120cmに続いて、1人で2席を独占していたせいでしょうか体重制限135kgというところで周りの子供たちの視線が集まりました。小職は決して135kgはありませんが、大人げないので否定するのは止めておきました。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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