2019.7.1【やはり上値の重いビットコイン。この週末は何があった?】
2019-07-01 08:33[ 松田康生 ]
Review
米朝首脳会談は売り材料?
週末のBTC相場は上に行って来いの展開。150万円手前から110万円台に急落後、135万円近くまで反発するも110万円台に値を戻している。年初来最高値を付けた後、25%の反落を見せていたBTC相場だが、111万円で反発するとGSが独自通貨発行を検討しているとの報道や本邦交換業業者への業務改善命令解除などもあり130万円台に値を戻した。しかし、この水準で上値を重くすると、米大統領が突如米朝首脳会談を提案した事もあり125万円台に急落した。このところ逃避資産的な買いが強かった事もあり、緊張緩和は売り材料と見られたか。注目の米中首脳会談は予想通り米追加関税見送りと貿易戦争の一時休戦で合意されたが、事前に報道されていたせいか若干Buy the Fact的な動きで130万円台に乗せた。しかし、この水準で上値を重くすると、米朝首脳会談が実現した事もあり110万円台に反落を見せている。
Outlook
中国の逃避買い一服か
本日のBTC相場も上値の重い展開を予想する。今回のG20は、首脳会談らしく事務方が積み上げた合意文章より、首脳同士のダイナミックな動きが注目を集めた。特に、米中貿易戦争の一時停戦と米朝首脳会談が話題を集めたが、総じて議論継続で各国首脳の顔立てた形になっている。先日、米中問題で逃避買いが出る背景として習体制への不安があると指摘したが、そうした懸念は一時的には後退した。そういう意味で買いの柱を失ったBTCはもう少し下押しがあるだろうが、もう一つの柱、金融緩和は健在で、下がったところでは反発もあろう。
FXcoin Daily Report 2019.07.01.pdf
松田康生 (まつだやすお)
営業推進部 部長代理
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。
短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda