修正年間見通し~何故200万円回復するのに年末までかかるのか?

2019-07-02 17:07[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン イーサリアム リップル ライトコイン ビットコインキャッシュ



昨年末のYearly Reportでお伝えしている弊社の年間見通しを上記の通り修正する。弊社では「2019年は悲観的な相場からは脱するも40-65万円のレンジ相場。」と予想していた。即ち、相場は大底を打ったが、昨年長らくサポートとなった60万円台の戻り売りをこなすには1年かかると考えていた。しかし、別稿で分析した様に、3月の仮想通貨関連法案提出と国内仮想通貨業界のイメージ改善もあり、4月頃から出来高が急増、2か月強の間に昨年の2月から11月までの9か月間に60万円台をサポートとしていた期間の出来高を上回り、その結果昨年3月の戻り高値をオーバーシュートする形となった。弊社でも2020年末頃には200万円トライすると考えていたが、それを2019年末に1年前倒し、上記の通り2020年末には360万円に達する予想に修正した。理由は以下の通り。

① Bakktがいずれ開始されることはプラスだし、ETFもいずれ承認されようが、本格的機関投資家が参入するのはルールが整備されてから。2020年までは個人中心の相場が続く。

② 個人中心の場合、2020年に2.4京円に達する(日経新聞より、ボストン・コンサルティング・グループ調べ)とされる世界の個人金融資産の0.1%から0.2%投入されると、21兆円のBTCの時価総額は2倍から3倍に増加する。従って2020年末は360万円。それ以上、個人資産だけで到達するのは難しいと考える。

③ 今年の年末までは、貿易戦争の一時停戦で中国からのフローは細るが金融緩和が本格化することが追い風になる。しかし、この4-6月ほどのスピードは見られないと考える。

④ 過去10年間でBTCが7か月連続で上昇した事はなく、今月か来月に調整が入る可能性が高い。

⑤ 前回2013年12月のバブル回復時も2015年1月に底値を付けてから、11月に急反発したが、その後、4割反落、1ヶ月で9割がた値を戻したけれど、11月のピークを抜けるにはもう半年要した。こうした乱高下はBTC相場のクセで、レンジを切り上げる際にはオーバーシュートしては急落し、その後、じりじりと値を固めていく傾向が観察される。あの150万円を見てすぐにでも200万円に到達すると見るのは危険。

⑥ 尚、アルトコインについては特にLTCの値動きを読み違ってしまったが、リブラの登場でなおさらBCHやLTCの様な決済志向の通貨は厳しい状況が続こう。一方で、過小評価ETHやXRPは上値余地が大きいと考える。



(お詫びと訂正)
謹んで以下訂正申し上げます。
誤:② 個人中心の場合、2020年に2.4京円に達する(日経新聞より、ボストン・コンサルティング・グループ調べ)とされる世界の個人金融資産の0.01%から0.02%投入されると、21兆円のBTCの時価総額は2倍から3倍に増加する。
正:② 個人中心の場合、2020年に2.4京円に達する(日経新聞より、ボストン・コンサルティング・グループ調べ)とされる世界の個人金融資産の0.1%から0.2%投入されると、21兆円のBTCの時価総額は2倍から3倍に増加する。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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