2019.8.6【続:なぜ人民元安になるとビットコインが買われるのか?】
2019-08-06 08:28[ 松田康生 ]
通貨 | BTC | ETH | XRP | BCH | LTC |
価格 | 1,244,396 | 24,680 | 34.4 | 36,926 | 10,437 |
前日比 | +6.9% | +5.1% | +1.3% | +4.4% | +6.0% |
Review
今日も人民元の基準値待ち
昨日のBTC相場は堅調な推移。米11000ドルで少し揉み合ったが、その水準を抜け値が走ると、12000ドル手前で一旦跳ね返されている。米追加緩和期待に加え米中貿易摩擦の停戦破棄を背景に10000ドル水準から反発を見せていたBTC相場だが北戴河会議の開催や香港でのゼネストなどもあり11000ドルに水準に乗せた。韓国ウォンが2017年以来の1200越えとなり、更にドル人民元の基準値が2007年以来の元安水準である7越えに設定されると為替市場に激震が走り、BTC価格も急騰を見せた。その後、12000ドル手前で一旦様子見となるが、LTCが半減期を前に上昇、100ドルに乗せ、その後もハッシュレートが大きく変わらなかったこと、またハッキングに合った国内交換所の再開がアナウンスされたこともあり12000ドルをトライするも失敗。今朝方は北朝鮮の飛翔体発射や米財務相の中国の為替操作国認定もあったが、本日の人民元水準を前に様子見となっている。
Outlook
習近平ピンチ
本日のBTC相場も引き続き底堅い展開を予想する。人民元の基準値を7越え設定に対し米国は為替操作国認定を行った。年2回の報告書以外での認定に市場は驚いたが、操作国に認定されるデメリットは報復関税を課されることで、既に関税をかけられている中国に対する経済的効果は限定的だ。それでも伝家の宝刀を抜いたのは、北戴河会議を狙って習主席の面目をつぶしにかかったものか。以前レポートした様に中国からの逃避需要は体制の転覆を恐れた蓄財者が資産を海外にシフトさせるもので、そうした需要はまだ見込めると考える。
FXcoin Daily Report 2019.08.06.pdf
松田康生 (まつだやすお)
営業推進部 部長代理
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。
短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda