なぜ昨日からビットコインキャッシュだけ買われているのか?

2019-08-14 17:51[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコインキャッシュ

仮想通貨相場は米中貿易戦争に振り回されながらも上値の重い展開が続いている。マイニング報酬により一定の売りが続く非中央集権通貨は、夏枯れで出来高が減少すると売り圧力が強くなる傾向がある。仮想通貨市場における、閑散に買い無しだ。この傾向は本邦のお盆シーズンに突入した今週、特に顕著に見られている。スマホやおもちゃの関税を3か月延期した程度でドル円が2円近くショートカバーした昨日の為替市場の値動きを見ても、投資家が夏休みに入り、一部の投機筋だけ残っている様子が伺える。こうした中、昨日からBCHだけが急に値を上げている。下は8月8日を1とした主要通貨の値動きだが、他通貨が概ね0.90-0.95に下落しているのに対し、BCHは1.05に上げており、時価総額でもLTCを抜いて4位に返り咲いている。何が起こったのだろうか。

まず、BCHはBitmain社元CEOのウー・ジハン氏やビットコイン・ジーザスのロジャー・バー氏など有力なサポーターがおり、Bitmain社は昨年マイニングで得たBCHを売却せず保有していたことも有り、閑散相場に強いのかもしれない。また、11月に予定されている定例アップデートに向け8月15日に仕様をフリーズする事になっており、さらなる進化への期待感も高まっているのかもしれない。ただ、いずれも昨晩から急速にアウトパフォームした理由としては不十分だ。どうやら、ロジャー・バー氏が“How to pay Bitcoin Cash Dividends”と題した動画にてBCHによるエアドロップ機能を紹介、自らもエアドロップの実施を示唆している。そうした機能の向上は歓迎すべきだし、エアドロップ自体は広く普及しているPR方法だ。ただ、もし大量の通貨を保有している投資家が、その資産価値を上げる目的でエアドロップを行うとしたら、少し釈然としない部分も残る。いずれにせよ、この材料自体はまだ消化途中で、まだ上値があるかもしれないが、この上昇は一過性なものと考えている。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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