2019.8.15【不況入りを示唆する1日。ビットコインの反発有るか?】
2019-08-15 08:37[ 松田康生 ]
通貨 | BTC | ETH | XRP | BCH | LTC |
価格 | 1,077,879 | 20,026 | 28.5 | 33,290 | 8,197 |
前日比 | ▼7.3% | ▼8.8% | ▼8.7% | ▼8.1% | ▼7.8% |
Review
ロングリクィデーション
昨日のBTC相場は軟調な展開。米中摩擦緩和を受けて朝方11000ドルを割り込むと、ロングポジションの投げもあり10000ドルレベルまで下落した。中国からの輸入品3000憶ドル分に9月から10%の追加関税をかけるとしていた米国が、PC、スマホ、ゲーム、おもちゃなどを12月まで延期するとしたことで、リスクオフポジションが巻き戻される中、BTCも11000ドルを割り込んだ。更に香港空港が正常業務に戻り、また米大手コインベースがバークレーズとの提携を解消したと伝わると10500ドルレベルに下落、更に英当局が証拠金最大手BitMEXに誤解招く広告表示と注意を行ったこともあり10500ドルを割り込むも、独GDPがマイナス成長に陥り、米2-10年債も逆イールドとなる中、一旦は値を戻した。しかし、その水準を維持できず10000ドル近辺まで値を落とすと、アルトコインも総崩れの展開となった。
Outlook
問題は中国でなくFRB
本日のBTC相場は下値を固める展開を予想する。一部関税を延期した程度で為替を中心に市場が大きく反応したのは、米中対立によるリスクオフ相場で実際の投資家は動いておらず、短期の投機筋が中心だったからと申し上げたが、仮想通貨で言えば、中国からのフローでなく、先読みしたスペックポジションが中心だったので、その巻き戻しが来たのだと考える。昨日は独マイナス成長、米債逆イールドと不況入りを示唆する出来事が続いたが、トランプ大統領が「中国でなくFRB」と呟いたように、金融緩和に関心は移り、BTCにはポジティブか。
松田康生 (まつだやすお)
シニアストラテジスト
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。
短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda