速報、四川省洪水でマイニングに被害。ビットコイン急落も一時的か?

2019-08-21 16:37[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

本日、朝方に11000ドルトライに失敗したBTC相場だが、お昼過ぎに10500ドルの水準を下抜けると10000ドル近辺まで急落した。コインポストによれば、マイニング施設が集中する中国四川省で洪水が発生、一部マイニング施設が流されているSNSの画像が紹介されている。折しも、BTCのハッシュパワーが再び過去最高を記録したことが話題になっただけに、その影響が心配されている。こういう自然災害の場合、全体の被害状況が掴みにくく、疑心暗鬼になった市場がある程度過剰反応するのは已むを得まい。

しかし、弊社ではこの材料での反落は一時的と考える。BTCの価値の源泉をマイニングに要したコストとする考え方に則れば、これは一大事なのかもしれないが、弊社ではそうした考えは採っていない。採掘コストを通貨の価値の源泉とする考えは、マルクスの労働価値説の影響でもあり、また商品貨幣説だ。しかし、現代の貨幣の価値は信用貨幣として、そのものに価値がないから通貨としての価値が存在し得る訳で、採掘コストが関係ないことは1万円札の価値が印刷コストと関係がないことと同じと考える。

8月に入ってのBTC相場は米中問題激化を理由に買い上げたが、中国からのフローが続かず不発。Bakktの9月開始も思ったほどの買い材料とならず、次はジャクソンホールでの利下げ追認かと先回りしたロングポジションが切らされるきっかけに、今回の洪水がなったに過ぎないと考えており、そうしたポジション調整が一服すれば市場は落ち着きを取り戻すと考える。そもそも、このセッションでそこまで強い買いが見られた訳でもなく、「山低ければ、谷浅し」であろう。

ただ、まだ被害の全体像が判明(そもそも中国の山間部での被害が正確に伝わることは困難と思われるが)するまでは油断はならない側面もある。もしマイナーの被害が重大でBTCのハッシュパワー全体に影響が及ぶ規模だった場合、次回のDifficulty調整が行われるまでは、Difficultyは一定でハッシュパワーが落ちるため、承認遅延が発生する可能性がある。運の悪いことに前回の改定は8月19日で、次回9月2日まで10日以上ある。チャーリー・リーはLTCの半減期において、Difficulty調整がBTCの1/4(調整するまでのブロック数は同じだが、1ブロックの生成時間が1/4であるため)であることを強みとして挙げていたが、まさにそのBTCの弱点が露呈する形になる可能性がある。ここ数日は、そうしたハッシュレートへの影響と承認状況に注意が必要かもしれない。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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