金融リテラシー調査 2019年版 - 仮想通貨は知識が重要

2019-08-26 11:32[ れんぶらんと

金融リテラシーのお話 仮想通貨 暗号資産

金融リテラシー調査 2019年版によると以下の傾向がわかる。
・ 日本人の金融リテラシーは他国と比べて低い。
・ 金融教育を求める声は高いものの、実際に受けたことがある人は少ない。
・ 仮想通貨取引は若手中心。知識がある人ほど利益が上げられるという結果が明らかに。


「金融リテラシー調査」は、わが国における個人の金融リテラシー(お金の知識・判断力)の現状を把握するために実施されたアンケート調査です。この調査は金融広報中央委員会(事務局:日本銀行情報サービス局内)により主導され、わが国の人口構成とほぼ同一の割合で収集した18~79 歳の25,000 人を対象に実施されています。今回の調査は2016 年調査に続く2回目となります。

1.外国との比較 - 日本は引き続き正答率が低い

前回の調査結果についてはこのコラムの第1回で取り上げましたが、今回もとても興味深いものとなっています。まず外国と比較ですが、金融知識に関する設問の正答率では、比較調査の結果が公表されている日本,英国,ドイツ,フランスの4か国の中で最下位でした。この設問は①金利,②複利,③インフレの定義,④リスクリターン,⑤分散投資、についての質問なのですが、日本は特に③インフレの定義と⑤分散投資について劣後しています。前者については日本が長らくインフレとは無縁であったこと、後者については日本において投資教育が十分になされていないことを反映しているものと考えられます。この傾向は前回の調査と大きく変わりません。

2.金融教育について - 金融教育を求める声とその実績に大きなギャップ

前回同様に私が注目したのは、家計管理や生活設計などの金融教育についての設問において、全体の67.2%の人が「金融教育を行うべき」と回答しているにもかかわらず、実際に受けたことのある人の割合はその中の8.5%にとどまっているということです。つまり金融教育を求める声とその実績に大きなギャップがあるということです。

今回データは金融教育を受けた学生と受けていない学生の設問に対する正答率も公表されていますが、結果は受けた学生が53.6%であるのに対し受けていない学生は39.6%となっておりその差は歴然としています。

また、金融教育を受けたことのある人は、正答率も望ましい金融行動を取る人の割合も高くなっていました。これは都道府県別データにも表れており、金融知識に対する設問の正答率が高かった都道府県は、低かった都道府県より金融トラブルの経験が少ないという傾向が出ています。

3.仮想通貨について - 取引は若手中心 知識がある人に利益が出る傾向

今回の調査の大きな特徴として仮想通貨(暗号資産)についての設問があったことです。結果の概要としては、仮想通貨を入手したことがある人は全体の7.8%で、そのうち30代以下が約半分の46.8%となりました。運用実績については、全体では利益が出た人は18.3%で損失が出た人の31.2%を下回っていましたが、内訳をみると”仮想通貨について詳しく理解していた”人の結果は、利益が出た人が39.8%で損失が出た人の21.4%を上回っていました。つまり、知識がある人に利益が出る傾向が示されています。



(データや図表はすべて金融広報中央委員会「金融リテラシー調査 2019年の結果」より転載。)



れんぶらんと

17世紀に活躍したオランダの画家レンブラント・ファン・レインの作品をこよなく愛する自称アーチスト。 1980年代後半のバブル期に株式および外貨資産投資を始め、いい思いをしてから投資の世界にどっぷりつかっている。

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