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【第8回】 オプションディーラーの視点 ~オプション勢は静かに準備?~

2019-09-18 10:39[ SF

オプションディーラーの視点 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

BTCオプション市場の動向(9/11~9/17)
直近1週間の期近物オプションの建玉変化を確認すると(※本年10月末までに行使期日を迎える短期オプションが対象)、トップサイド(11,000ドル~13,500ドル)の建玉が減少する一方、実勢相場(10,250ドル)近辺の建玉が増加している様子が伺えます。
個人投資家が、カバードコール(コールオプションの売り持ち)を解消し、ATM(At the money)近辺のガンマを増やしている可能性が考えられます。

本稿では、足元で見られる建玉変化の背景について、オプションディーラーの視点で考察いたします。

先週から今週にかけてトップサイドオプションの建玉が減少している理由は?
トップサイドオプションの建玉が減少している理由としては、先週号でお伝えしたカバードコール取引(個人投資家によるBTCコール売り戦略)の解消が挙げられます。
個人投資家は、長引く膠着相場を背景に、既に保有している現物ロングの持ち値改善目的で、カバードコール取引を活発化させておりましたが、先週金曜日のカットオフ以降、コールオプションの建玉が段階的に減少し始めました。



カバードコール取引が解消された背景は?
個人投資家がカバードコール取引の解消に踏み切った(と推測される)背景として、当方では以下2つの可能性を挙げております。

①ビットコイン相場の三角保ち合い・終焉の可能性が高まっていること
6月以降続いてきた弱気の三角保ち合い(ディセンディング・トライアングル)のレジスタンスとサポートの交差まで残り2週間程度となったことで、保ち合い期間中に溜まったエネルギーの放出(上下どちらかに大きく動く)が警戒されます。これが、個人投資家を中心としたカバードコール戦略の解消を促し、実勢相場近辺(At the money近辺)のガンマ需要を高めていると考えられます。

②市場が注目するBakktのサービスローンチを9/23に控えていること
昨年来市場が注目してきたBakktのサービスローンチを来週(9/23)に控え、ビットコイン価格の値上がり期待が根強く残っております。Bakktは機関投資家参入を想起させる好材料と捉えられており、こうしたイベントを前に、個人投資家が「カバードコール戦略」の解消を進めている可能性が考えられます。


まとめ
以上の通り、足元でカバードコール戦略の解消の可能性が考えられます。背景には「そろそろ大きく動き始めそう」との相場観が透けて見えます。
イベント前の膠着相場を「オプション売り」戦略で収益化したいのは皆同じです。しかし、それは同時にいつ相場が動き始めるか分からない恐怖感との戦いでもあります。オプション売り戦略の止め時はまさに「チキンレース」。ここ数日の建玉変化を見る限り、オプション勢は数週間以内のボラティリティ上昇に備えて、静かに「準備」を進めている可能性が高いと言えます。ビットコイン・オプションの建玉変化に引き続き注意が必要です!

SF

赤色メガバンクの市場部門出身。英国ロンドンでチーフFXオプションディーラー → 東京本部でFXマーケットアナリスト → FinTechベンチャーで取締役チーフアナリスト → FXcoinでPM(現職)。為替一筋17年。G10通貨・新興国通貨・仮想通貨まで幅広くカバー。日本経済新聞社やテレビ東京などマスメディアへの寄稿・出演実績多数。Twitter:https://twitter.com/HelloDerivative

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