低下するヒストリカルボラティリティーからビットコインの反発時期を占う

2019-09-18 18:30[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

BTC相場はレイバーディ明けとなる9月第1週こそ100万円近辺から急反発を見せたが、その後、第2週以降は上値を重くし、7月以降の三角持ち合いの中、動意が薄い展開が続いている。そうした中、市場で取引されるインプライド、実際の過去の値動きから計算するヒストリカル共にボラティリティーが低下している。動意が薄いこととヒストリカルボラティリティー(HV)が低下していることはほぼ同義だが、その水準を読み解くと見えてくるものがある。

上は過去5年間のBTCの30日間と50日間のHVの推移。これを見ると20前後まで低下した事が5回あり、その水準から急反発を見せている。今回は30日・50日いずれも50前後でまだ低下余地はある可能性がある。もう一つ気になるのが、このHVが概ね半年周期で増減を繰り返していることだ。もし、これがBTC相場のクセだとすれば、前回の底は3月末から4月頭にかけての24(30日)、32(50日)だったことを考えると、すなわち30日で見て9月頭の変動が対象外となる9月末から10月上旬辺りに底を打つ可能性があろう。ではこのHVが反転するとは何を指しているのだろうか。



そこで前述のHVとBTC価格とを比較してみたのが上図だ。スポット水準が大きく変わっているので2015年6月から2017年3月までと2018年6月から2019年6月までを分けて抽出している。HVが上昇するという事は相場が大きく動いた事とほぼ同義だが、過去5回(2016年後半を10月と12月の2回と数えれば6回)のうち4回は上にブレークしている。BTC相場はこの5年間に25倍になっているのだから上方向にブレークする事が多いことは当然と言えば当然かもしれない。ただ、ここで分かるのが、ドル円相場では円高になるときの方がボラが上がり易いというクセがあると知られている。これに対してBTC相場はBTC高になった方がボラが上がり易いというクセがある訳だ。360円が80円を割れた歴史があるドル円が下方向に恐怖感があるのと同様に400ドルが5年で10,000ドルを超えたBTC相場に上方向への恐怖心が芽生えても不思議でない。ただ、ここで議論しているのはHVなので、実際に相場はそう動いてきたとしか言えないが。

こうした動きは弊社が何度か申し上げているBTC相場のクセ、半年毎に急騰と急落を繰り返し、底値から急騰しピークアウトすると半年程度かけて前回ピークを更新していくという展開と整合的なのかもしれない。また、その相場の上昇も9月より10月、11月とパフォーマンスが向上するというアノマリーとも整合的だ。こう考えると、あと1-2週間、遅くとも10月上旬までに三角持ち合いを上抜けてボラが反転、年末にかけて6月のピークを目指す展開が予想されよう。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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