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検証:日本からビットコイン相場へのフロー、どの数字が正しいのか?

2019-09-19 18:47[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

弊社でも何度か特集しているが、10日日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が2019年1月から7月までの統計資料を発表した。この数字は会員である交換所からの報告をベースにしているが、協会は会員に対し指導、勧告及び処分権を有し、会員資格の制限⼜は停⽌が出来る。会員資格が交換業登録の条件となっている状況下、協会のデータの信ぴょう性は高い。こうした信頼度の高い数字が出ると、様々な分析や比較のベースとなり得る。曖昧な数字かを分析して得られる結論も曖昧だからだ。本稿ではその中でも日本からの出来高について考察したい。



日本からのフローで代表的なものとしてBitcoin日本語サイト(JPBITCOIN)が挙げられる。こちらは各交換所とAPI接続してデータを収集しており、信頼度が高いことで知られている。今回、JVCEAによる出来高と比べてみたものが上図だ。金額ベースと数量ベースの2種類で比較した。概ね、JVCEAベースの出来高がJPBITCOINベースの出来高の1/3~2/3となっていて、整合性が無いようにも見える。しかし、金額ベース・数量ベースの両者の比率を比較するとほぼ一致する。これは偶然かもしれないが、両者とも同じデータにアクセスしつつ、抽出する基準が異なるせいなのかもしれない。協会に問い合わせたところ、彼らの数字は顧客取引のみで、自己取引やカバー取引は除いているそうだ。一方、API接続で自動計算しているJPBITCOINの場合、そうしたものも含まれている可能性が高い。

出来高と言えばCoinMarketCapが有名だが、一部交換所の出来高水増し疑惑が報じられ、残念ながら信頼度が下がった。これに対し通貨別出来高など分析やダウンロード機能に優れたCryptoCompareが台頭している。そこで後者のJPY建て出来高とJVCEAのものを比べて見ると、これが全く合わないし、水準こそ許容範囲だが月毎の数字のブレやJVCEAとの比率もまちまちだった。海外交換所で円建て取引を行っている可能性もゼロではないが、決済の問題から現実的ではない。とはいえ、CryptoCompareはテザーやQCなど中国の動向を観察するなど有用なデータが多いのだが、円建ての数字に関しては参考程度と考えたい。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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