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ビットコイン急落のきっかけ、ハッシュレート低下はひと段落。今後の展望。

2019-09-25 17:13[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

今朝方、BTCは三角持ち合いを下にブレークして急落しました。その背景として、FOMCやBakktの開始といった買い材料で上がり切れなかった故に溜まったロングポジションのストップがヒットしたことが挙げられる。BitMEXではこのセッションで7万BTCのロスカットが発動した。一方で、そうした買い材料で上がり切れなかった背景には、ETFの取下げもあろうし、米中摩擦と人民元安の一服なども挙げられる。また出来高が回復しきれておらず、投資家の買いが戻り切っていない事なども一因かもしれない。弊社のコラムでは急落前にダウンサイドのオプションが買われており、売り手であるマーケットメーカーによるデルタヘッジが売り圧力になったと指摘、これも裏を返せば下方向が気になりだした投資家がロングポジションのヘッジとして下のプットを買った結果だとすれば、Bakktで上がり切れず溜まったロングのストップをトリガーしたという説明と同じ現象と言えるかもしれない。これ以外にも同じ現象も切り口次第で様々な見え方が出来、様々な説明がなされており、お決まりのクジラ説も一部で出回っている様だが、その中で恐らくこれが引き鉄と目されているのがハッシュレートの急低下だ。



代表的サイトであるBLOCKCHAINでは日次で9月22日の98,120PHs(ペタハッシュ)から23日には67,384 PHsへ3割以上、1時間毎に数字が出るCoin Danceでは22日の108,327 PHsから23日には57,694 PHsへ4割以上の急低下を見せている。これを受けて中国の内モンゴルでの取締強化が原因ではないかといった見方も浮上した。弊社はハッシュパワーなどマイニングに要した資源がBTC価格を決定するという立場は採らないが、それでもショッキングな数字だった。但し、よく見てみると、例えば日次では8月18日に63,784PHs、時間毎では同21日に56,934PHsを記録しており、実は1か月前の水準に戻ったに過ぎない。即ち、夏場の電力供給や新型ASICなどの貢献でハッシュパワーが急騰しており、Difficultyも前回9月14日にも10%以上上昇、もちろん過去最高を更新し続けている。そうした中、次回更新を前にマシーンのスィッチを切るマイナーが現れても不思議はない。マイナーたちは競争関係にあるが、そうするとDifficultyが上昇して報酬を得るために必要な電気代が上昇するため、コスト改善のためにアクシデントだった可能性もある。そのせいかCoin Danceではハッシュレートが急速に回復している。即ち、大洪水や当局の弾圧といった構造的なものでなく、一過性であったことが判明した訳だ。





確かに今回の下げは昨年9月のフラッシュクラッシュを思い起こさせる。昨年もこの時期からハッシュレートは頭打ちとなり11月にかけて反落したところ6000ドル割れに繋がったという見方もある。しかし弊社ではハッシュレートの低下は相場低迷の結果であって原因ではないという立場だ。また昨年の低下はBCHとBSVとのハッシュウォーがBTCからハッシュパワーを奪ったという側面もある。即ち、時期的に昨年の相場が頭をよぎり不安になったという側面もあると思う。但し、この1年間でBTCが投資先の一つとしての認知度を上げているせいか、グローバルな金融情勢に左右される展開が昨年と比べ圧倒的に多くなった。その中心である米金融政策は昨年の12月まで利上げサイクルにあり、今年とは180度状況が異なっている。105万円から87万円へ急落したBTC相場だが半値押しの96万円を回復するまではまだ何とも言えないが、ポジション調整が一巡すれば今年の最高値を目指して反転行くと考えている。 

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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