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2019.10.11【ビットコインの上抜けはダマしだったのか?今後はどうなる?】

2019-10-11 17:43[ 松田康生

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Review

土俵際で踏ん張る

今週のBTC相場は底値圏から反発。83万円台でトリプルボトムの形を作り底値を固めると93万円台まで反発したが、200日移動平均線で上値を抑えられた格好。先週末の米雇用統計は予想通り低迷、10月利下げに青信号が灯るもPaypalがリブラからの撤退を発表したことも有り上値を重くするとウクライナゲートで第2の告発者が現るとの報もあり83万円台まで下落。しかしXRP急騰に89万円台までの反発を見せたが、テザー・Bitfinexに対する集団訴訟やウィグル問題や対中投資に関する米国の強硬姿勢を嫌気し上値を重くした。しかし、FRB議長が資産購入再開の意向を示し、またBinanceのCZ氏がDEXでWechatやAlipayでBTC・ETH購入が可能としたこともあり93万円台まで上昇。その後、Alipay、WechatPayが仮想通貨決済は禁止としたが下げ渋ると、CFTC議長のETHは証券でないとしたこともあり200日移動平均線を上抜け、高値圏で不安定な値動きを続けている。

Outlook

レンジ上抜けはダマしだったのか

来週のBTC相場は堅調推移を予想する。先週は、「ダブルボトムを形成、底値を固めつつあったが、92万円、8500ドルの水準で200日移動平均に跳ね返され、上値の重い展開が続いている」とし「勝負どころのビットコイン相場、上抜けは間近か?」と申し上げた。好材料に反応できない地合いの悪さを指摘するも、FRBの信認が揺らいでいる事、また「来週に入り本土投資家が帰ってくると市場の雰囲気が一変するか注目したい」と申し上げた。実際の相場展開は非常にトリッキーで、週初は上値が重く逆に83万円台まで下落。しかし、アルト主導で切り返すと、今度は200日移動平均線を上抜けるもすぐに反落、不安定な値動きを続けている。この間、弊社では「前2回を見ると①売り材料の一服②アルトコインが先導③強気派が日和る事などが大底の条件」とし「92万、96万、108万円辺りがキーポイント」と一貫して強気目線の相場観をお伝えしてきた。今朝方も「200日移動平均線上抜けを予想する理由」と申し上げた。この視点から、今週の値動きを振り返ると、ダブルボトムならぬトリプルボトムを形成して反発、92万円をクリアに抜けたことで、底入れは確認できた。しかし、96万円を上抜けるまではまだダマしの可能性は否定できず、強気相場入りか、83-93万円のレンジ相場となるかの判断はまだつかないと言ったところだろうか。

それでも強気な理由

弊社が強気の見方を続ける根拠はマクロ環境だ。別稿でご紹介した様に今年の最大の買い材料はFRBの方向転換だと考えている。すなわち、FRBが利上げのペースを上げ、膨らんだベースマネーの回収を始めた2017年末をピークに下がり続けていたBTC相場だが、2018年末を最後に利下げを停止、今年7月にはベースマネーの回収も停止し、利下げに転じるとBTC相場もボトムアウトを見せた。ドルが減価すれば相対的にBTCのドル建て価格は上昇するし、ベースマネーを増やす、市中にお金をジャブジャブに供給すると資産インフレを引き起こすので、その一例という側面も大きいが、法定通貨に対する信認が揺らぐ時にこそデジタルゴールドに逃避需要が出ると考えているからだ。そうした意味で昨年と今年とでは状況が全く異なっており、相場が下がる度に浮上する昨年と同様にBTC相場が底抜けするという見方には与しない。相場を無視した一人よがりの予想には閉口するが、かといって相場に振らされすぎると自分を見失ってしまう。

再び上値トライ

今の相場の特徴は短期的に下を見ている人も含め、多くの参加者が最終的にBTCは上がると思っているところだろう。その結果、ポジションが溜まっては振り落とされる事を続けているが、徐々にその上昇局面は近づいていると考える。一昨年12月に大底を付けたLTCは2月頃から上昇を始めた。8月の半減期の6か月前だ。BTCの半減期は来年5月でその6か月前は今年12月という計算だ。中国人投資家も市場に戻り、出来高も徐々に回復しつつある。FRBのベースマネー拡大も次の利下げも近づいている。来週は再び上値をトライする相場展開を予想している。

予想レンジ:85万円~105万円


Altcoin


今週のアルトコインは堅調な推移、特にDevcon大阪が開幕したETHやSWELLを控えたXRPがBTCも含めた仮想通貨全体をけん引した格好。先週「9月に入り開発者たちが夏休みから帰ってくるにつけ、ヘッドラインの差が顕著に出始めている」としたが、その傾向が更に顕著に出た格好。元GSのHF経営者ノボグラッツ氏はBTCとETHだけに投資することを推奨、DevconでETH共同創始者のルービン氏も仮想通貨成功の条件を満たすのはBTCとETHだけとした。これに対しリップル社がXRPのユースケース創造し必死についていっている格好か。上はこの1か月間の主要5通貨の上昇率の平均から各通貨の上昇率が乖離しているかを示したもの。これを見ると、かつてのアルトターンのような循環物色によりアルトの主役が交代していく姿は観察できず、ETH・XRPとBCH・LTCに2極分化している姿が浮かび上がる。すなわち、今のアルトの上昇は勝ち組と負け組との淘汰の過程という見方も出来る。デジタルゴールドであるBTC以外はユースケースを見出していく必要があるが、ブロックチェーンを社会に実装させるには開発やプロモーションに強力な資源が必要だ。そうした中、この2通貨と他のアルトとの差は更に広がっていく事が予想される。

 

ETH:今週のETHは堅調な推移。XRPの上昇やDevconに対する期待感から堅調に始まったETH相場だが、ヘッドラインが続かなかったことも有り開幕後は若干上値を重くした局面も見られた。Coindeskが発端のETH2.0は詐欺論争も若干影響したか。しかしBinanceのBTC・ETH・USDTのみ取扱うDEXでWechat・Alipayでの人民元決済が可能となるとETHが上昇、20000円台を回復している。先週指摘した通り「Devconに向け仮想通貨市場全体を牽引」した格好となった。

XRP:今週のXRPは堅調な値動き。リップル社のガーリングハウスCEOがFOX TVで特集されるとの報もあり急上昇。その後も金融サービス大手FINASTRAとの提携、BinanceシンガポールでのXRP取扱開始、豪州でのODL送金開始観測などを受けじりじりと値を上げ、その後のETH主導のBTC上昇を演出、XRPも30円台に値を戻している。夏休みシーズンを明けたせいかリップル社の活躍が目立つ展開、先週申し上げた様に「同社の戦略が」実を結びつつあり「市場はもう少し反応しても不思議でない」。SWELLに向け更なる上値を追う展開か。

BCH:今週のBCH は目立った材料がない中、BTCやアルトコインに連れ堅調な推移。ビットメイン社がマイナーサミットで新マシーンを発表、Bitcoin.comがカナダのゲーム・宝くじ大手と提携した以外、殆どヘッドラインを目にすることもなかった。

LTC:今週のLTC相場は殆ど材料もない中、BTCとアルトコインに連れ高となる展開。BTCとLTCが今年の最大のパフォーマーとして報じられていたが、結局、半減期に向けた上昇が奏功したか。尚、LTCは半減期の半年程度前から上昇しており、来年5月のBTCの教訓としたい。


FXcoin Weekly Report 2019.10.11.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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